交換留学レポート2月号(ドイツ ハンブルク大学)
文学研究科後期博士課程 木戸紗織
大講義室で授業の準備をする先生
ドイツ人学生による
サプライズ?クリスマス会
添削されたレポート
(蜂のマークは先生のサイン)
授業後のパーティー
明けましておめでとうございます!と言っても、ドイツでは新年はさして重要でないため、さっそく1月3日から講義が再開されました。そこで今回は、ハンブルク大学での授業についてレポートしたいと思います。留学を考えている方はぜひ参考にしてください。 留学生が受ける授業には、通常の授業と留学生向けの授業の二種類があります。一般の学生を対象とした通常の授業は、日本の大学とほぼ同じと言ってよいでしょう。大講義室で行われる授業ではすり鉢状になった教室に百人前後の学生が集まり、基本的に教師から学生への一方通行で講義が進みます。
一方、後者の留学生向けのドイツ語の授業は通称ダフDaFと呼ばれ、ハンブルク大学の場合、専門の3名の先生が担当しています。留学生の出身は実に多様で世界中から学生が集まっていますが、DaFの授業の面白さは何と言ってもここでしょう。ドイツ語を通して様々な国の事情を知ることができ、世界中に知り合いができます。私はこのハンブルクに来て、マダガスカルに友達ができましたよ!逆に、日本がどのように見られているのか、あるいはどれほど知られていないかを思い知らされることもあります。留学生以外にも、DaFの教員を目指すドイツ人学生や、学外からの聴講生も参加しています。
学生にとって気になるのが成績評価の方法ですが、DaFの場合、出席と発表で評価するケースがほとんどです。発表の規模は様々で、3~4名のグループ別の場合もあれば、教壇に立ってプレゼンテーションをした後さらに質疑応答を行う本格的なものもあります。しかし、どちらの場合も先生が意図しているのは、正しいドイツ語を話すことよりも、いかに分かりやすく相手に伝えるか試行錯誤させることではないかと思います。また、発表は発表でも詩を朗読する授業があり、これはとても苦労しました。自分で選んだ詩をクラス全員の前で暗唱するのですが、感情をこめて表現するのが難しく、また人前で発表するという恥ずかしさも手伝って、まさに緊張の連続でした。
授業内容とは対照的に、宿題には書かせるものが多いように思います。授業のまとめやミニレポートなど、A4用紙一枚ほどの分量が毎週宿題として出され、添削して翌週返却されます。独作は大変ですが、辞書を引きながらじっくり取り組むことができるので、回を追うごとに間違いが減っていくのを実感できます。また、これをもとにタンデムで間違った部分を集中的に練習すると効果的です。
DaFの先生は留学生を熟知しており、学生全員の名前を覚え、性格や習熟度に応じて学生一人一人に細かく対応してくださいます。また、他国の事情を学ぶことにも積極的で、レポートの内容について授業後に詳しく教えてと言われたこともあります。他にも、最後の授業でお別れパーティーをしたり、先生の誕生日にみんなで歌を歌ってびっくりさせたりと、授業以外にもたくさん思い出があります。
留学期間が過ぎればそれぞれの故郷へ帰ってしまう留学生。私たちが机を並べて一緒に勉強できる時間は限られていますが、この経験は今後必ず生きてくるでしょう。みなさんも、留学してみてはいかがですか?