ボランティアに参加する人へ-こころにストレスを感じたら-
誰かのために働くということは、とても素晴らしいことです。 しかし、そのことが気づかない間に自分自身に大きな負担をかけていることがあります。これは災害後の救護や支援活動においても同じことですが、支援者の受けるストレスは見過ごされがちです。 誰かのために働いて疲れを感じている方々、ここで一呼吸。明日に備えるためにも、かけがえのない自分を大切にすることを忘れないでください。
衝撃的な体験をしたときに起こる心身の変化
衝撃的な体験をしたときに、私たちのこころや身体は強いストレスにさらされます。
このようなとき、心身に次のような変化が起きることがあります。
支援者に起きやすいストレス症状
- 呼吸、心拍の増加
- 発汗
- 頭痛、頭が重い
- 食欲減退
- 吐き気
- 貧尿
- 不眠
- いやな夢を見る
- 集中力が続かない
- 疲れやすい
- 考えがまとまらない
- 自分を責める
- 不安、恐怖感など
このような心身の変化は、
- 強烈な刺激に出会ったときに生じる「自然な反応」で、特に心配なことではありません。
- 変化の出方、現れ方には個人差があります。同じ現場活動をした他の人と同じでないことを気にすることはありません。
- 無理に忘れようとせず、できる範囲でその出来事の話をしたりしましょう。
- 時間とともに1カ月以内に上記のような変化は軽減してきます。
ストレスチェックでご自身の健康状態を振り返ってみましょう
以下の項目のうち、あてはまるものにチェックをしてください | |||
けがや病気になりやすい | 物事に集中できない | ||
---|---|---|---|
何をしてもおもしろくない | すぐ腹が立ち、他人を責めたくなる | ||
考えなければいけないことが考えられない | 頭痛、肩こり、冷え、のぼせなど身体症状が見られる | ||
状況判断や意識決定にミスがある | じっとしていられない | ||
落ち込みやすい | ひきこもりがちになる | ||
物忘れがひどい | イライラする | ||
よく眠れない | 不安が強い |
(参考)日本赤十字社「災害支援マニュアル」
結果はいかがでしたか?
5項目以上あてはまる方は、疲労がたまっています。
できるだけ心身を休めるよう工夫しましょう。
ストレス対処法
ストレスがあるときは次のことを参考に対処してください。
- ゆっくり眠る
疲労回復の基本。ゆっくり休んで心身のバランスを整えます。 - のんびり入浴する
血行を促し、体の緊張がほぐれます。 - 同僚や友人、家族と会話する
他愛のないおしゃべりが、心を軽くしてくれます。 - 栄養バランスのとれた食事を摂る
朝食をきちんと摂ることから始めましょう。 - 趣味や旅行で気分転換する
日常生活から離れて、心をリフレッシュさせましょう。 - 適度な運動をする
朝夕に軽いストレッチ運動をこころがけましょう。 - ひとりの時間を持つ
たまにはじぶんを見つめなおす時間も必要です。好きな音楽を聴いたり、感動する映画を観たりしてもストレスはやわらぎます。 - 笑う
心の緊張をときほぐす「笑い」は、まさにストレス解消の“特効薬”。楽しい気持ちで過ごしている時には、交感神経の緊張をほぐす脳内物質が分泌され、心も体もリラックスできるのです。
自分にとってつらい状況が続けば、我慢しすぎないで先生、友人、家族など信頼できる人に話を聞いてもらったり、不安を感じたら、カウンセリングルーム(電話:06-6605-2108)に相談してください。